病棟日記 手術当日

10月25日  AM 5時40分

寝た記憶がない

3人のおっさんたちめ

今日、午後から手術だというのに体が重い

地球にのめり込んでいく 顔だけが地面から出ているようだ
ありんこ目線 「うあーーーーーーーーー」

昨夜、 PM 7時から飲まず食わず

もう慣れてしまっているが、ダメと言われると辛い

手術時間まで何をしよう
カーテンを開け

点滴を24時間いれっぱなしのせいでトイレに30分おきに行く

ロビーに行くと、柔道着を着たおっさんが体操をしていた

「あのゴンだ!」 なんで柔道着なんだよ? やわらちゃんかよ 退院までに聞いておこう

ロビーから見える景色は最高です
右は富士山 左は赤坂のビル群 となかなかの眺め
でも、真ん中の窓ガラスに映る自分の顔は雲で覆われた空のよう

あまりにも暇なので、病院内探検をしようと思っていましたが
食道癌入院で1ヶ月 行きつくしたと気づき 断念

辞書でも読んで暇つぶし

11時になると妻が来てくれました
こんな時天使に見えるものですね 普段は閻魔ちゃんのようなのに

二人で手術まで時を過ごし、11時 12時 13時 14時
そして15時10分

「大塚さんそろそろ行きましょうか」

「キターーーーーー」

咽頭切り拷問タイム

逃げられない 運命は変えられないのか
絞首刑になる奴に縄の太さを教えても運命は変わらないという

特別通路から可愛い看護師さんに連れられ、途中でどっかのドアを開けて入っちゃおうかな
なんて考えちゃったりして

9階から5階へ

誰もいない長い廊下 そしてエレベーターから降り また廊下を抜けると
巨大なガラス張りがいくつもある手術室に着く

2重ロックドアの手前に何人もの手術を受ける患者が待っている

よっぽどの年寄りか重病患者以外は、ほとんどの人が歩いてくる
以前もそうでした

ここからは「まな板のサメ」 頑張ろう

手術ベッドに横たわり 色々な装置を付け すぐに酸素マスク
「はい深呼吸して下さい」

「クラッシュ! クラッシュ! クラッシュ!」

「えっ なんなの? クラッシュって?何なの?」

二人に首の根元を押さえ付けられる

「クラッシュ!クラッシュ! あーーーーーー」

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記憶なし。。。

「 大塚さん 大塚さん 」

目覚めたら、病室のベッド  17時16分

手術時間は1時間ぐらいで、麻酔が抜けるまでトータルで2時間ちょっと

本人は目を閉じて開けたら終わっていました

妻が目に入った

ニコッ そして 「お疲れさん」と手を握ってくれました

少しすると、何時間か寝てたんでしょうか
誰かに声をかけられました

「無理 無理 無理 湯加減が違う!」

またかよ

寝言おっさんの声でした

寝ながら風呂に入ってんじゃねーよ 

こっちはそれどこじゃねえ 喉が痛い

隣のおっさん いびきうるせーし 「もうやだーーーーーーーー!!!!!!」
と朝を迎えました  AM 8時

流動食が出てきました

スープ スープ コメのとぎ汁 スープ 

「食いもんじゃねえ」
内緒で柿ピー食ってやった

妻が午前中に来てくれて、「柿ピー食った 喉ちゃんはいらないって言ったんだけど、
胃袋くんが欲しいって言ったから......」

笑いながらボコボコに叱られました
皆さん笑いながら怒る人は 本物ですよ気をつけて

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手術室に向かう
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スープ スープ スープ
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直後
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god hand

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